お米の測定 4検体 福島県産・熊本県産・石川県産・滋賀県産

 福島県会津若松市産の13年度新米を持参された方がいらっしゃいました。今年のお米は良くできて美味しいからと、ご親戚が送ってきて下さったのだそうです。

毎日食べる食材なので、30分測定の結果を見て判断が難しかったら長時間にしましょうかとお話したら、「そうしてもらえると、とても安心です。」とおっしゃられました。

30分後の結果は、

セシウム合計欄に「検出」表示、4.29Bq/kg±2.20 ピークなし

Cs-134 放射能濃度 4.29Bq/kg±2.20 統計誤差44.5%(下限値 2.84 Bq/kg)

Cs-137 放射能濃度 1.40Bq/kg±2.20 統計誤差>100%下限未満(下限値3.03 Bq/kg )

134の数値が137の数値の約3倍もあるという結果がおかしいことは、お客様もすぐお分かりになり、直ちに18時間測定に切り替えました。スペクトルを見るとPb-214とBi-214のピークも見られました。Bi-214はNAIではCs-134として誤認されやすい厄介ものです。

18時間後、Cs-134  下限未満(下限値 0.64 Bq/kg) Cs-137下限未満(下限値0.69 Bq/kg)、「セシウム合計欄 数値なし」という結果でした。翌日お米を取りに見えた方は、ほっとされたお顔でした。

続いての3検体は、下の表にまとめました。空欄は数値の表示がなかったものです。(クリックすると表は拡大されます)

お米の測定4検体多分セシウムは検出されないだろうと思いながら、かなり低い下限値まで追い込みました。いずれも、30分から18時間測定までの間、137は出ていません。が、下限値以下かつきわめて微量ながら、134の数値が表示されています。ゲルマニウム測定器のような厳密な性能はないと承知しながらも、測定初級者としては「これ、なに?」と気になるところです。

そんな時、測定員交流会が頼りになります。月1回開かれていて、持ち寄ったデータに関する疑問を出し、意見を交換し、測定チーフのアドバイスを受け、知見を積み上げていきます。この学びの場があるので、ほんの少しずつですが放射能測定について理解を深めて来られたのです。

 上の134の数値も、測定器AT1320Aが134や137をどう算出するかなどの説明がされ、また自然放射能の誤検出の可能性の話も付け加えられました(実は、これは以前にも何度か話されていたのに、どうも自分の手で測定しないと実感されないようで・・・)。

見えないものがみえてくる面白さ、それと背中合わせの難しさの両者を実感する門口に、立っています。

測定員 音

 

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