2019年2月17日福島県産野生キノコの公開共同測定会を開きました。

「あるびれお」の会員から福島県産野生キノコ(いっぽんしめじ)の測定依頼があった。「公開での測定をしませんか?!」と相談してみた。測定日がかなり遅れるが、了解を得た。いっぽんしめじを送ってくれた福島県在住の親戚に、キノコの名称、採取場所などの確認と、測定日までキノコを細かく刻んで冷凍をして下さいと、お願いした。

採取したキノコは現地では「いっぽんしめじ」と言っているが、正式にはイッポンシメジ科の「ウラベニホテイシメジ」であった。このキノコは秋に里山の野原のような平らな場所で、松の木が混ざる雑木林の地上に発生するとのことだった。

キノコは汚染物質(放射性物質を含む)を吸収しやすい。店頭で見かけるキノコはハウスで栽培されたものである。野生は土壌から生える。原発事故で大量の放射性物質が大気中に飛散して8年になろうとしている。

「土壌汚染は?」と気になる。放射性物質のうち、セシウム137は半減期が30年。山間部は除染されていない。

親戚の夫婦が半日ぐらい歩いてキノコを採取した場所は内陸の山間部であった。原発事故当時の放射性プルームの流れを表したマップを確認してみた。また、福島県市町村別放射性セシウム土壌汚染度の表(みんなのデータサイトより)などを参考に、該当するゾーンをチェックしてみた。汚染度はかなり低いようである。

参加者との懇談では1歳の子ども同伴で参加したご夫婦のお母さんからは「食べ物と放射能についてママ友の間でも話題にしにくい」「子どもが成長するにつれ砂場での遊びが気になる」別の男性からは反原発デモ、東電刑事訴訟支援など参加しているが「なぜ、原発をやめられないのだろう!?」2人の学齢期のお子さんのお母さんからは「子どもにはキノコを避けている。学校では食べている。私ぐらいの年齢になったら、年1回ぐらいキノコを食べても大丈夫かしら?!」との声。

懇談中、キノコを30分間、1時間と測定。キノコの匂いがとてもいい匂いであった。野生のキノコは旨いであろう。放射能で汚染されてしまった私たちの暮らし。放射能・放射線のことを学び、汚染実態を知り、子どもを守るために何ができるかを考える。そのために測定する、数値がわかることの大切さなどを話し合った。

測定結果

いっぽんしめじ 福島県産 2018年秋採取 重量913g

30分

Cs137 検出 36.8Bq/kg ±8.2Bq/kg  検出下限値3.66Bq/kg ピークあり
Cs134 検出 4.41Bq/kg±2.27Bq/kg   検出下限値3.42Bq/kg

1時間

Cs137 検出 38.2Bq/kg ±8.0Bq/kg  検出下限値2.75Bq/kg ピークあり
Cs134 検出 4.67Bq/kg±1.93Bq/kg   検出下限値2.57Bq/kg

3時間

Cs137 検出 39.7Bq/kg ±7.9Bq/kg  検出下限値1.94Bq/kg ピークあり

Cs134 検出 4.89Bq/kg±1.52Bq/kg   検出下限値1.80Bq/kg ピークあり

3時間測定から合計44.6Bq/kg±8.04Bq/kgのセシウムが含まれることがわかった。

                        (測定員 徳安信一)

 

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