夕方。電話をいただきました。それは、山菜の「こごみ」の測定依頼でした。ソテツの種です。
くるくるとまきこんだ形状の、おひたしやてんぷらなどにある山菜でありました。
数日後、お越しいただきその検体を受け取りました。食品の検体をおあずかりして、測定するということは、検体だけでなく、いろいろなものを同時に背負います。
「思い」ということだと、ぼくは感じています。マリネリ容器につめながらお話をうかがいました。家族のこと。お孫さんのこと。福島の親族のこと
山菜のこごみ 福島県石川郡天然もの 2017年5月
1リットルマリネリで、509gを3時間測2回りました。
3時間測定結果1回目 509g
Cs-137 検出 5.76Bq/Kg ±2.57Bq/kg (検出下限値3.62Bq/Kg)
Cs-134 下限未満 (検出下限値3.32Bq/Kg)
3時間測定結果2回目 509g
Cs-137 検出 7.27Bq/Kg ±2.72Bq/kg (検出下限値3.62Bq/Kg)
Cs-134 下限未満 (検出下限値3.32Bq/Kg)
それでも本当のことが知りたくて、測定員の方々と話をし、この検体を新宿代々木市民測定所さんにゲルマニウム測定をして頂きました。
上記がぼくたちのナトリウムシンチレータAT1320Aの測定結果でした。5.76~7.27Bq/Kgのセシウムがあるだろうという結果でした。
新宿代々木市民測定所結果
測定時間: 57.600秒
試料重量: 630g
試料重量: こごみ
核種セシウム137 放射能濃度 6.1Bq/Kg 検出限界 0.1Bq/Kg
核種セシウム134 放射能濃度 0.8Bq/Kg 検出限界 0.1Bq/Kg
※新宿代々木市民測定所の伏屋さまありがとうございました。
新宿代々木市民測定所の測定器は、精度の高いゲルマニウム測定であります。その機器で合計6.9Bq/Kgのセシウムを検出しています。
ありびれおの機器は、その値になんとか近い値をみることが出来た。それは小さいことですが、ぼくたちには大きな事実でした。
全ての結果をお伝えしました。お客さまからは「復興は」遠いという言葉を頂きました。
福島第一原発の事故は、いろんなかたちで傷を残しています。それは今もつづいています。
土方隆一