2017年7月17日山桃を測定しました

山桃の測定依頼があった。名前に「モモ」とつくが桃の仲間ではない。常緑樹で実がつく雌の木と実がつかない雄の木があり株は別。山桃の木はやせ地でも育ち高木となるので、風や砂よけに街路樹や公園樹として植えられることが多い。
入梅のころ(6~7月)実がなりつぶつぶの赤い実は、小さなビーズで飾ったようなきれいな実で、熟すにつれて黒くなる。品種改良もされ、果物として栽培されているので生で食べられる。測定員の老生も、子どものころ庭に大きな山桃の木があり、木登りをして実を取り、塩をふり、ゆすってまぶしてよく食べてのを覚えている。なつかしい果物だ。

測定依頼者のお子さんが利用する、NPO法人が運営する施設の敷地内に山桃の木があり、その実をジャムにして食するため放射能が気になるとの事。
保護者同士のコミュニケーションで前に、砂の放射能を測定してみようか、となり、2017年3月に同敷地内の砂場の砂を測定したところ放射能が検出されたことがあり、食べ物ではないが気になっていたそうだ。測定器はあるびれおの保有しているものと同じ、Nalシンチレーション式測定器だった。

施設は低地にあり山桃の木の横はさらに低くなり小川になっている。水量は少ない。夏場は水涸れしているという。施設の責任者に山桃の実を放射能測定してみたいと相談したが、落ちた実ならば、とのことで枝になる実を取ることはできなかった。実以外のものが混入すると測定結果に影響するため、土に触れていないものをできるだけ集め、施設の水道水を使いよく洗浄。測定中の発酵を抑えるため5分加熱してジャム状にしながら、取り切れていなかった土や砂を取り除いていった。加熱後に1リットル分になる量の実を拾い、測定のために丁寧に下処理をするのは時間も手間も大変だっただろう。
注意深く作業をしていただいたが、結果によっては測定アドバイザーのアドバイスを受けることにして測定を始めた。

山桃 東京都東久留米市産 1009g

30分
Cs137 検出 3.38Bq/kg ±2.10Bq/kg 検出下限値3.29Bq/kg ピーク検出なし
Cs134 下限未満 検出下限値3.08Bq/kg

60分
Cs137 下限未満 検出下限値2.47Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値2.31Bq/kg

3時間
Cs137 下限未満 検出下限値1.74Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値1.62Bq/kg

30分測定でCs137が検出、ピーク検出なしとなったが、60分、3時間測定では検出下限値未満となった。
測定器の特性・性能を踏まえた上で、測定時間は長い方が信頼性が高まるため、今回の測定ではセシウム合計3.36Bq/kg以上の放射性物質は含まれていないと判断した。

この数値をどう判断するか。食べるか、やはりやめるのか。個人個人の事情があるため正しい答えなどない。自分は、親として子どもにはどうするのか。測ることによって現状を知り、自分なりの基準を持ち考える材料になればと思う。

測定員 佐藤吉男

カテゴリー: 測定ブログ   パーマリンク

コメントは受け付けていません。