東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、空も、大地も、川も、海も、広範囲にわたって放射性物質に汚染されてしまいました。そこに育つ生きものたち――わたしたちが口にする農産物、畜産物、魚介類にも、影響は及んでいます。
国は、放射能は怖くない、流通している食品は安全だと言います。しかし、内部被ばくや低線量被ばくがもたらす影響については、いまだわからないことが多く、安全と断定することはできません。
食の安全を追求し、市民の健康を守るためには、国や自治体の判断にすべてを委ねるのではなく、市民みずからが測定し、考え、行動することが必要です。
わたしたちはとくに、放射能の影響をうけやすい子どもたちに、安全な食、安全な環境を用意したいと考えています。
次の時代を生きる主役は、子どもたちです。ネイティブアメリカンはものごとを決める時に、子どもを参加させるといいます。わたしたち「あるびれお」は、子どもたちと未来を守るために、放射線の測定を通じて、子どもたちとともに考えながら、いまできることをしていきたいと思います。
「あるびれお」のゆらい
アルビレオは白鳥座の頭にあたる星です。また、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の中に出てくる、天の川の流れの速さを測定する測候所の名前です。
「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオの観測所です。」(『銀河鉄道の夜』)