4月27日チェルノブイリ汚染茶の共同測定をしました(上)

西東京・生活者ネットワークの事務所に保管されていた、チェルノブイリ汚染茶。

放射能マークの入った「1986年三重県産」お茶の缶詰を共同測定するにあたり、私たちはまず情報収集から開始しました。
Cs137の半減期とされる30年まで、あと2年。
測定結果と当時のデータをつきあわせれば、セシウムが本当に半減したかどうかが調べられるかもしれません。
そこで、当時、この汚染茶を測定したと考えられる団体に問い合わせました。

初めに問い合わせた「たんぽぽ舎」(当時から現在まで測定を続けていらっしゃいます
http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=202)には、「データを取り出すために時間がかかり過ぎる」と照会を断られました。28年前のデジタルデータはフロッピーディスク。電子メディアが日に日に進化を遂げる中、データをどのように整理保管していくかは、あるびれおにとっても大きな課題であると実感させられました。

2つめの団体「小金井市放射能測定器運営連絡協議会」http://hosyanousokuteishitsu-koganei.jimdo.com/には、過去の書類を大捜索していただきました。出てきた資料には「1992年4月測定/Cs134=0/Cs137=43.40」とあり、事故から6年目の汚染茶のセシウム合計が、43.40Bq/kgだったことがわかりました。

4月27日、外部のお客さんも含め6名で共同測定を実施しました。測定の精度を上げるため検体をなるべく多くマリネリに詰め込めるよう気を使いつつ、また、汚染が確定している検体なので、周囲に飛び散らないように注意しました。

 

 

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30分(1800秒)測定の結果は、セシウム合計25.0Bq/kg
Cs137 25.0Bq/kg (絶対誤差±8.50/検出下限値8.97)
Cs134 空欄(検出下限値8.35)

18時間(64800秒)測定の結果は、セシウム合計24.6Bq/kg
Cs137 24.6Bq/kg (絶対誤差±5.1/検出下限値2.05)
Cs134 0.63Bq/kg (絶対誤差±1.31/検出下限値1.90)

92年のセシウム合計値43.40Bq/kgが信頼できる値だとすると、今回の結果が24.6Bq/kgというのは、なかなか「それらしい」値に思えます。

その日の午後に開かれた測定員交流会では、測定結果をどう捉えるかという意見交換に加え、「どんな経緯があって、この汚染茶は缶詰になったのだろう」「缶詰に記載されている『生活クラブ世田谷センター』に問い合せてみようか」などの意見が出されました。

その後、当時の状況を詳しく記した資料にたどりつき、汚染茶缶をめぐるストーリーは、急展開を迎えます。
           測定員 加藤涼子
(下へつづく)

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