1月24日小豆川さんの公開講座「見えない放射能を測る」を開きました

1月24日(土)、東京大学大学院総合文化研究科助教の小豆川勝見さんの公開講座「子どもにも大人にも学べる科学講座 見えない放射能を測る」が開催されました(主催:放射能測定を考える会・西東京、後援:西東京市社会福祉協議会/にしとうきょう市民放射能測定所あるびれお)。

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専門家として放射線の研究や放射線測定の実践をされている小豆川さんは、子どもを対象とした授業も数多くなされているとのこと。科学用語をできるだけ使わず、測定器を用いた実験もまじえたお話は、まさに「子どもにも大人にも学べる」というのにふさわしい内容でした。

「見えない放射能」を測定することは、それほど容易ではなく、そのため、誤った認識、誤った測定方法が散見されるといいます。その一例として、小豆川さんは、某コンビニエンスストアが自社の扱っている食品の安全性を示す際に、空間放射線測定器を用いて食品の放射線を測定していた例をあげられました。

小豆川さんは、会場で実際に、基準値40倍のマイタケの粉末に空間放射線測定器を近づけてみました。まったくと言っていいほど、反応は見られません。(安全であるとの)先入観をもたず、正しい知識、正しい測定法を身につけることが必要であることを、わかりやすく示してくださいました。

福島第一原発事故で放出され、大気中にまかれた放射性物質の量は、両手に乗る程度であるとのこと。しかし、第一原発の大きさを考えれば、それぐらいしか放出されなかったのは運が良かった、と小豆川さんは指摘されます。と同時に、本来、目に見えない放射性物質が両手に乗るほど放出されたのは、とても危険なことだと強調されます。

私たちは今後、長期にわたって放射能問題と向き合っていかなければなりません。そのことを考えれば、3.11から間もなく4年を迎えますが、問題はまだ緒についたばかりと言えます。次の世代のためにも、原発事故や放射能汚染の実態などについて研究を続けていかなければならない、と小豆川さんは締めくくられました。科学的な視点と同時に、人間としての役割が問われていることが、強く感じられました。

講演のあとは、あるびれおの測定リーダー内藤誠との対談、会場からの質疑応答など充実した内容の講座となりました。

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