放射能測定を考える会・西東京の主催で、桃の公開共同測定会を開いた。
桃の旬は6月から8月。知人から福島県産の桃「あかつき」をいただいた。(あかつき:白桃と白鳳から作られた品種。食味や日持ちがいいといわれる)
原発事故後5年目。福島県産の果物を測定してみたく、皮をむきフードプロセッサーにかけ、10分間加熱後冷凍保存した。桃はいたみやすい果実だ。測定するには傷んでいても支障はないが、冷凍していたので数日前から解凍、常温に戻し測定できるよう準備した。
桃を測定するにあたり、市内のよく利用するスーパーで売り場チーフに聞いてみた。「山梨、福島、長野などいろいろな産地の白鳳を中心に店頭に置いた。出始めはハウスもの、その後は露地ものだが山梨のものが多い。あかつきという品種は福島産のものを扱った。福島産については気にする人は手を出さないが、震災時ほどではない。価格差も他の産地のものと比較して、前ほどではなくかなり縮まっている。」とのことだった。
山梨県の甲府盆地は日中と夜間の気温差が大きく、土壌の水はけがよいので、落葉果樹の栽培に適している。桃、ブドウ、スモモの生産量は日本一。桃のハウス栽培でも先進地とか。西東京市内では梨、ブドウの生産者の果樹園をよく見かけるが、桃の幟がたつ農園を見たことはない。
桃について調べて見た。桃の木は、リンゴや梨が30年以上栽培できるのに、栽培期間が18~20年と短い。根に含まれる有害物質などにより連作障害を起こす。根が水に弱いのも特徴。雨期に病気にかかりやすい。12~13年目には収穫量も落ちるため、順次植え替え、連作障害を防ぐため、植え替える場所や客土(他の畑から新しい土を持ってくる)、堆肥を入れるなどが必要であることがわかった。
今回は30分、1時間、3時間の測定をした。
福島県産 桃 重量 1029g
30分間測定
Cs-134 検出下限値未満 検出下限値 3.23Bq/Kg
Cs-137 検出下限値未満 検出下限値 3.02Bq/Kg
1時間測定
Cs-134 検出下限値未満 検出下限値 2.43Bq/Kg
Cs-137 検出下限値未満 検出下限値 2.27Bq/Kg
3時間測定
Cs-134 検出下限値未満 検出下限値 1.71Bq/Kg
Cs-137 検出下限値未満 検出下限値 1.59Bq/Kg
以上の結果から、セシウム合計で約4Bq/Kg以上は含まれていないと考えられる。
測定に参加された生後4ヶ月のお子様同伴の方は「福島県産より茨城県産の方を測ってみたい」と話していた。子どもを抱えたお母さんが知りたいのは、どのように生産され、どのような検査体制なのかを示してほしいということではないか、と感じた。
測定員 安野 理