昨年の山桃酒

9月8日に山桃酒を測りました。昨年7月に杉並区の家に生った山桃をつけこんだ赤色の酒です。30分間測定でははっきりしなかったので、3時間測定しました。山桃酒1kg当たり、セシウム134と137併せて10Bqの値でした。

次に漬け込んであった山桃を測りました。標準の測定では1ℓ容器を使いますが、分量が少なかったので0.1ℓ容器で測りました。3時間測定で山桃1kg当たりセシウム合計が106Bqでした。

今年はそのお宅の山桃は実をつけなかったので、測ることができませんでした。

 

 

 

果実には放射能が集りやすい傾向があります。

9月16日に隣の小平市で栽培されているブルーベリーを測ってみました。3時間測定でブルーベリー1kg当たりセシウム合計が6Bqでした。

昨年の値は東京都のホームページで調べたところ、1kg当たりセシウム合計12Bqでした。下記を参照下さい。

都内産農林水産物等の放射性物質検査結果について http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/whats-new/yasai-ichiran-kita.pdf

同じ日にスーパーで販売されている福島産の桃をフードプロセッサーにかけて計測しました。—JA新ふくしまの「果実」は二重三重の検査をして大丈夫な商品を販売していますーとのシールが貼ってあります。

3時間測定の結果は桃1kg当たりセシウム合計が8Bqでした。

厚労省が本年4月に発表した食品の放射性セシウム基準値によると、一般食品である果物は1kg当たり100Bq以下であれば流通させていいことになっています。山桃の実に含まれる106Bq以外は、現在は販売OKです。食べる側の私達がどう考えて、どう判断するのかが問われています。

山桃酒と山桃は依頼者にお返ししたら、即、捨てるということでした。また「自分一人なら食べれるけれども」と思案した結果、ブルーベリーアイスを一緒に作ろうと期待していた孫娘には、申訳けないと思いつつ、ブルーベリーは我が家のゴミ箱行きとなり、桃も同じ運命を辿りました。

この9月には関東圏の農業者から、測定員個人宛に生産物を送ってもらい、測定をする機会がありました。風評被害を振り払い、農産物を流通させるために正確なセシウム値を切実に求めています。東京に住む私達が子どもを守るために食品を測るだけではなく、生産者のニーズに応える道を探す必要があると感じています。

以下、参考までに今回の測定値を記します。

○山桃酒(3時間測定)

Cs134  3.68Bq+-1.10Bq/Kg   検出下限値  1.27Bq/Kg  統計誤差  22.1%

Cs137   5.48Bq+-1.48Bq/Kg  検出下限値  1.39Bq/Kg  統計誤差  17.9%

セシウム合計 9.16+-1.84Bq/Kg

○山桃の実(3時間測定)

Cs134   34.3Bq+-18.2Bq/Kg  検出下限値  29.4Bq/Kg  統計誤差  52.9%

Cs137   71.4Bq+-27.3Bq/Kg   検出下限値  36.4Bq/Kg  統計誤差   32.7%

セシウム合計 106+-32.8Bq/Kg

○ブルーベリー(3時間測定)

 Cs134   2.77+-1.15Bq/Kg  検出下限値      1.76 Bq/Kg 統計誤差   36.4%

 Cs137  3.63+-1.38Bq/Kg 検出下限値  1.60Bq/Kg 統計誤差   32.3%

 セシウム合計6.40+-1.80Bq/Kg

○ 桃(3時間測定)

 Cs134   3.01+-1.05Bq/Kg  検出下限値      1.31 Bq/Kg 統計誤差   28.8%

 Cs137  5.02+-1.43Bq/Kg  検出下限値  1.44Bq/Kg 統計誤差   20.2%

 セシウム合計8.03+-1.77Bq/Kg

                2012.9.21  測定員 梅村浄

 

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