NHKのETV特集『チェルノブイリからの報告』第1回、第2回をみて、意見を交換しました。
上記DVDはあるびれおに置いてありますので、ご覧になりたい方はお申し出下さい。
測定員のヒジカタヒトミさんが感想を寄せてくれました。
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『チェルノブイリ原発事故~汚染地帯からの報告』を見て
『あるびれお』では、毎月1回集まって測定員の交流会をしています。
皆ボランティアの素人集団でもあり、分からない部分を
内藤チーフに質問したり、情報交換して各測定員の勉強の時間にしています。
10月の交流会では、チェルノブイリの現状を伝えるNHKの録画番組を皆で見ました。(11月の交流会では番組をサポートされ、チェルノブイリを長年調査されてきた吉田さんをお招きし、より詳しいお話をお聞きする予定です。)
チェルノブイリの事故から26年
そこにはいまだ原発事故被害に苦しんでいる人々の姿が映しだされていました。
ベラルーシでは畑のセシウムとストロンチウムを政府が調べ、人が食べていい作物を作れる土地か4年に一度測定結果を伝えるのだそうです。
セシウム137は半減期30年。ゆっくりと少なくなっていきます。
しかし、今年の測定結果は4年前を上回るもので作付け農地が少なくなっていました。
セシウムは、ゆっくりと移動するので年数がたったからといって安心できるものではないのだそうです。
日本では、ストロンチウムに関しての情報が少ない気がします。測定をするのに多額が必要という事もあるらしいのですが。
『あるびれお』のAT1320Aでもストロンチウムは測れません。しかしセシウムあるところストロンチウムありと、ある程度の予想をする事はできるようです。
私たちの身体はストロンチウムをカルシウムと間違え取り込んでしまいます。また排出されにくいので、お子さんなどは特に注意が必要です。
そして翌週は汚染地ウクライナに暮らす人々の様子を特集していました。
真っ白な可愛い顔(もともと色白な方達ではあるのですが)の目の下にくまができ、常に具合が悪いと訴える子どもたちは見ていて痛々しく辛いものでした。
事故後、最初の数年は皆普通に暮らしていましたが、だんだん身体に不調を訴える人が増えていったのだそうです。
そして子どもの甲状腺ガンの異常増加と手術…
私の母も20年ほど前、2度甲状腺を手術しました。
2度目手術を受ける時、母はポロポロ泣いていました。大人でもそんなに辛い手術を年端もいかない子どもがうけねばならない…胸がつぶれる思いです。
IAEAなどの国際機関が原発事故被害と小児甲状腺ガンの関係を認めたのは、現場の医師達が患者の増加に気づいてから7年後だったそうです。
でもきっと、それはとてもゆっくりと進むものなので最初は油断してしまうのだと思います。
チェルノブイリでは当時、市民に事故の事は知らされていませんでした。
数年がたち、子どもや市民に健康被害(甲状腺以外にいろいろな症状があった)が多発し、人々は情報公開を望む声をやっとあげたのです。
けれど、チェルノブイリ原発事故被害にあっている沢山の人々が、祈り、日本にメッセージをくれて…現状を伝えてくれたからこそ、日本でより多くの人々が、子どもや皆を守ろうと早いうちから警戒できたのだと思います。
その事に私はとても感謝しています。
汚染地のなかでどう生き延びていくのか皆で考え、子どもに伝えていかなくては…
それはまだまだ始まったばかりで、私たちが果たして26年後どんな思いで暮らしているか…なんて想像もつきません。
ただ思うのは、チェルノブイリの皆さんの
『いくら注意しても しすぎるという事はない』という言葉を常に忘れない…とにかく後悔したくないということです。
山田真先生が
「人々を守るために使ってね」と差し出してくださった測定所という贈り物を皆さんどうぞ活用してください。
そして一緒に考えてもらえる場所になれば幸いです。
ヒジカタヒトミ