【開催報告】3月9日ゆずの公開共同測定

放射能測定を考える会・西東京の主催、西東京市社会福祉協議会と、にしとうきょう市民放射能測定所あるびれおの後援で、茨城県産ゆずの公開共同測定を行った。

3月上旬、ゆずを西東京市内のスーパー数件で探してみた。1個200円代で高知県産、徳島県産の物が置かれていた。昨年の暮れごろからか、と記憶しているが、自転車で移動していると、ところどころの庭先で深い緑の葉の茂みに、ぼこぼこした皮が黄に熟した柚子の実を見かけた。実がなる常緑半高木で、柑橘類の中では寒さに強く岩手県や秋田県でも植えられているという。柚子を栽培している農家で木を増やす時は、からたちの木に柚子の枝を接ぎ木したりするらしい。
ゆずは、絞り汁を料理にかけたり皮を刻み薬味として日本料理の引き立て役になったり、ジャムを作ったりする。ビタミンCはみかんの約3倍とのこと。食用としてばかりでなく、風呂に入れたりもする。昔から私たちの暮らしに役立つものとして庭先に植えられたのであろう。
にしとうきょう市民放射能測定所あるびれおでは、2013年に練馬区と西東京市の個人宅の庭木のゆずを測定している。

今回測定するゆずは、茨城県石岡市の個人宅に庭木として植えられたものである。今年はかなり実をつけたそうだ。測定のため種以外を細かく刻み、測定中の発酵を抑えるため10分間加熱処理をし、30分、1時間、3時間測定を行った。

ゆず 茨城県産 877g (10分加熱)

30分
Cs137 下限未満 検出下限値 3.38Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値 3.57Bq/kg

1時間
Cs137 下限未満 検出下限値 2.88Bq/kg
Cs134 検出 3.27Bq/kg ±1.75Bq/kg 検出下限値 2.68Bq/kg

3時間
Cs137 下限未満 検出下限値 2.02Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値 1.88Bq/kg

1時間測定ではセシウム134が検出となったが、セシウム134と近いガンマ線エネルギーを放出する核種にビスマス214があり、これは天然にあるものなので、そのエネルギーを拾ったノイズで誤検出と考えられる。と測定アドバイザーからのアドバイスがあった。

参加してくださった原発関係の仕事をされていた方は、6年前の3月15日ごろ、茨城県あたりのモニタリングポストの値が上昇しているのを見て、福島原発で何か起こっているとわかったと話をされた。

原発事故で大気中に放出されたセシウム137の半減期は30年である。あるびれおの測定器で食品を少しでも多く測り、汚染状況を数値で把握し、記録を残すことが大切だと言えるだろう。見えない放射能に対して、市民がいつでも食品の放射能を測定できる体制を持続させたいものである。

 

測定員:安野 理

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