【開催報告】2017年4月22日わいわい寺子屋 医療被曝についてみんなで考えよう

「わいわい寺子屋 医療被曝についてみんなで考えよう」を、放射能測定を考える会・西東京の主催、西東京市社会福祉協議会と、にしとうきょう市民放射能測定所あるびれおの後援で行いました。
少し雨模様なこともあり参加者は6名、お子さん連れの方もいらっしゃいました。
こじんまりとした中で山田真先生のお話をじっくりと聞く会となりました。

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山田:日本は世界で唯一の被爆国なのに医療被曝について関心がないことを、ずっと不思議に思っていたが、福島の原発事故以来、勉強してその理由がわかった。
アメリカは原爆投下という残虐な行為を正当化するために様々な言説をまきちらしたが、その一つに「残留放射能による低線量被曝は健康に影響がない」という言説だった。特に日本人がこの言説を信じることが、アメリカにとって必要だったし、アメリカ以外でも原子力産業に携わる人たちには必要なことだった。原爆を体験した日本が「放射能はこわくない」と言ってくれれば、原子力推進者にとっては大きな力になるからだ。そこで日本では「放射能は安全」という教育が国民に対してどこの国よりの強力に言われたのだろう。
医師は医学教育の中で、医療被曝や低線量被爆について学んでいない。放射線防護学を学んでいるのは放射線技師だけだ。それで医者はレントゲン撮影を乱用する。放射線技師が乱用だと思っても、医者に「少し控えたら」などと言うことはできない。
CTが導入されてから被曝量はとても多くなった。1回のCTで10ミリシーベルトくらい浴びることもあり、胸のレントゲン写真を500枚撮ったのと同じ被曝量になることもある。世界のCT検査機の3分の1が日本にあり、健康保険制度があって患者の負担金も少ないので、乱用されている。アメリカやオーストラリアで「幼児期に頭をぶつけた子どもが、将来脳腫瘍や白血病になる率が増えるのではないか」と心配して追跡調査を行っているが、日本ではそのような調査研究も行われていない。

放射能と癌の発生の関係についてはあまり分かっていないが「放射能が一度にたくさんのDNAを傷つけて分断してしまうことにより修復が追いつかずに癌化する、発生するまでには5~6年かかる」という説があった。最近、一回の放射線を受けただけで時間をかけずに細胞がガン化する場合があることがわかってきて、低線量被爆が安全だということはとても言えない状況にある。

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休憩後の第二部は参加者と円座になり、自由に質問やお話をしながらすすめました。

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参加者:レントゲン使わずに診断することはできないのか?
山田:外国の開業医はレントゲンも心電図もなしで診断をしている。今の若いお医者さんは聴診器を使えない人が半分くらいいる。昔は「打診」という技術があって、打診で心臓の大きさを調べたりした。丁寧に診察をすれば検査はしないでもわかる。日本は贅沢な医療の結果、検査結果だけをみて体をみなくなった。医師は医療設備がないと診療できなくなっている。だからレントゲンを拒否したら「診察はできない」と言われてしまうだろう。検査したくなかったら医者にいかないしかない。
治療方針についていろいろな病院を観察して、自分にあった病院を探すことも有用。

参加者:過去に受けた放射線治療の影響が心配。

山田:低線量被曝について被曝二世の健康調査をしたことがある。はっきりとした結果は出なかったが不定愁訴、だるい、仕事が続かない。なんとなく具合が悪い。治りが悪い。ということはあった。

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他にも検査や検診についての興味深いお話もたくさん聞くことができ、わいわい寺子屋にふさわしく自由に意見を交換しながら学ぶ会になりました。

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