近隣のブルーベリーを測る

6月に入ったある日、自宅の庭のジューンベリーを持ったお客様が、測定室にいらっしゃいました。「震災から2年間食べてなかったけど、今年は大丈夫か知りたいので。」というベリーは、一つ一つの粒が大きく、つややかで、いかにもおいしそうな小平市産です。

30分計測すると、『セシウム137(Cs-137)は検出下限値2,84ベクレル(Bq/kg)未満、セシウム134(Cs-134)も検出下限値2,26Bq/kg未満、いずれもピーク検出なし』でした。

が、ベリーは気になる食品の一つであり、昨年あるびれおで小平産のブルーベリーを測った時は6Bq/kg出ていたので、30分延長して1時間測ってみましょうと提案しました。結果は、同じく『ピーク検出なし、Cs-137 は下限値2,04Bq/kg未満、Cs-134も下限値1,91Bq/kg未満』でした。

 

次にいらしたのは、練馬区産のブルーベリーをお持ちの方です。1時間測定の結果、『Cs-137は下限値2,17Bq/kg未満、Cs-134も下限値2.03Bq/kg未満、いずれもピーク検出なし』です。

では足元の西東京市産ブルーベリーはどうかと、7月下旬に、私も農家のスタンドで買いもとめました。1時間測定で、『Cs-137,Cs-134共に検出下限値未満(137下限値2,09Bq/kg、134下限値1,96Bq/kg)、ピーク検出なし』でした。

8月下旬、同じく西東京市の自宅で採取したというブルーベリーを、こちらは2時間測りました。その結果、『Cs-137が検出、3,56±1,24Bq/kg、統計誤差28,9%(検出下限値1,55Bq/kg)、Cs-134は下限未満(下限値1,44Bq/kg)』という結果でした。

 

さて、こうした結果を知って食べるかどうかとなると、それぞれです。「食べます。まだたくさんあるので、ジャムがいっぱいできます。」と嬉しそうに帰って行かれる方もいれば、「私は食べるけれど小さい子には食べさせません。」とおっしゃる方、「うぅん、どうするか・・・。」と悩まれる方もいます。結局、一人一人が放射能に関する情報を集め、自分で判断するしかないわけです。

厚生労働省が発表している「食品中の放射性物質の検査結果について」を見ると、東京都のブルーベリーからは、今のところセシウムは検出されていません(ただし、検出下限値9~12Bq/kg)。しかし、宮城県角田市では18Bq/kg、栃木県那須市では4,9~2,4Bq/kgが何件か検出されています。他にNDとなっているものでも、下限値が20Bq/kgというのもあり、これでは不検出と言えるかどうかわかりません。

福島原発事故後2年が経過し、セシウム134は半減しました。その分、食品に含まれる放射能濃度が下がっていると聞きます。一方、風雨によるセシウムの再飛散や移動、また、肥料などとなって拡散している話も聞きます。レベル3という汚染水の海への流出事故も続いているにもかかわらず、魚のストロンチウムに関する調査結果は発表されていません。もはや、事故前のように放射能のことなど気にも留めなかった生活を続ける環境にはありません。

自分や家族の健康を守ろうとしたら、さまざまな情報を追いかけ、継続して測定し続け、判断していく他ない、それが事故後の否応なく続く私たちの《新しい》生活ではないでしょうか。

ボランティア測定員 音

 

 

 

カテゴリー: 測定ブログ   パーマリンク

コメントは受け付けていません。