事故以来、麦茶用の大麦は気になる食品の一つでした。
2012年11月、西東京市のHPにも、保育園で使用していた麦茶用大麦か
らセシウム検出と公表されました。市に情報公開請求して入手した資料
によると、同じ検体を4回測定、最も数値の高かったのは、セシウム合
計20.7Bq/kg±8.40Bq/kgとのことでした。(2400秒測定。Cs-137が
20.7Bq/kg±8.4Bq/kg、下限値10.8Bq/kg。Cs-134が9.63Bq/kg±6.43Bq/kg、
下限値10.1Bq/kg 測定場所は保谷庁舎、重量393g)。
もちろん、大麦はそのままパクパク食べるものではありません。また、
その後西東京市が飲料水の形にしてゲルマにかけたところ、「不検出」
だったとのこと。
しかし、夏いっぱい、人によっては半年くらい、毎日のように飲む麦
茶、たとえ微々たる量でも、蓄積が気になります。今は一体どうなのか?
夏を前に共同測定を呼びかけた次第です。
出資参加も含め12人が共同測定に参加しました。そのうち4人が、6月18
日からせっせとマリネリに麦茶を詰め、64800秒=18時間測定をしました。
測定したのは、スーパーなどで手に入りやすい3種と、産地から取り寄
せた1種の計4つの商品、全て2013年度産です。
もちろん、いつもの共同測定の時と同じように、資料をもとにいろいろな
情報を分かち合ったことは、言うまでもありません。
たとえば、2011年に収穫されたものからは他の市民測定所でもかなりセ
シウムが検出されていたとか、麦を飲料水にした時の水への移行実験報
告からの摂取量の推測など。
測定結果は、次の通りです。
㈰6月18日 富士食糧 国内産大麦 「昔の麦茶」489g
下限未満 Cs-137 下限値1.52
下限未満 Cs-134 下限値1.40
㈪6月19日 はくばく 六条麦茶 25年度産 「丸粒麦茶」597g
下限未満 Cs-137 下限値1.23
下限未満 Cs-134 下限値1.13
㈫6月20日 伊藤園 カナダ産 「香り薫る麦茶」500g
下限未満 Cs-137 下限値1.48
下限未満 Cs-134 下限値1.36
㈬6月21日 福岡八女農業協同組合「八女むぎ茶」589g
下限未満 Cs-137 下限値1.25
下限未満 Cs-134 下限値1.15
以上の数値からお判りのように、今回は、検出下限値を超える試料はあ
りませんでした。
産地を販売者に電話で問い合わせたところ、㈰については、「ほとんど
埼玉県産、時に栃木県産などを補充することがある」、㈪は、「今回の
ものは宮城・茨城県産だが、賞味期限によって産地は変わる」とのこ
と。また、㈰㈪どちらも全国麦茶工業協同組合から仕入れていて、
政府の基準をクリアーしていますとのこと。
政府の基準とは、ご存じのように、大麦の状態で100Bq/kg以下です。
「よって実際に飲む状態の麦茶は、飲料水の基準である10Bq/kgを下回
ることになります」と厚労省の基準設定に関するQ&Aに書かれています。
子供たちは、今も、無心に麦茶を飲んでいることでしょう。子どもたち
の体に入るものは、麦茶に限らず、ずっと見守らねばと思います。
測定員 音