2018年9月8日西東京市産タケノコの共同測定

「とれたての旬のタケノコは絶品だ!」と言われる。
おいしく食べるには、料理法はいろいろあるし、収穫時期も大事だ。

今回は、食べるのではなく、放射能を測定するためである。4月30日に西東京市内の竹林で収穫した。地上に、かなり頭が出た大きめのタケノコ3本である。皮を1枚ずつはがし、食べる部分を細かく刻んで、計ってみたところ約1.2kg確保できた。とりあえず、そのまま冷蔵庫で冷凍保管である。

タケノコは放射能が気になる食材である。西東京市も、3.11の原発事故で、放射能に汚染された。タケノコの放射能を測定することで、ひとりでも多くの市民に測定器と測定法を知って欲しいし、放射能や原発について話し合ってみたい。
測定日(8日)の3日前(5日)に冷凍庫から出して室内保管。

当測定所が測定した食材の記録の中に

ー2016年産、岩手県一関市、たけのこ(水煮)」が、同年5月22日に測定されていた。重量は1,098g、測定時間は3時間。測定結果は、セシウム137が2.91+-0.98Bq/kgとの数値であるー
同年5月12日、朝日新聞に「放射性物質基準2.3倍 給食タケノコから検出 宇都宮の小学校」との見出しがある。
記事は「出荷制限区域で採ったタケノコを卸売業者に販売。仕入れた青果店が学校側に納入。収穫した人は『出荷制限区域とは知らなかった』とのこと。精密測定の結果は、1kg当たり131〜234ベクレルの放射性セシウムが検出されている」との内容である。

今回のタケノコ測定会に参加された方は「新座の竹林のタケノコを旬の時期に採取し、食していた。3・11後は収穫していなかったが、今年は収穫、知り合いにおすそ分けを再開した。公民館で測定会のチラシを見て、西東京市産であれば、近いので参考にしたい」と、参加された。若い男性の参加もあった。「掲示板でポスターを見た。実家が福島。野菜など、よく送ってくるが気にせず食べている。市民放射能測定所が近くだったので、参加した」との話を聞いた。

西東京市産のタケノコの測定結果は以下の通りである。

タケノコ 東京都西東京市産 1047g

30分
Cs137 下限未満 2.27Bq/kg ±2.18Bq/kg  検出下限値3.18Bq/kg
Cs134 下限未満 1.29Bq/kg±1.99Bq/kg   検出下限値2.97Bq/kg

1時間
Cs137 下限未満 検出下限値2.39Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値2.23Bq/kg

3時間
Cs137 下限未満 検出下限値1.68Bq/kg
Cs134 下限未満 検出下限値1.59Bq/kg

30分測定、1時間、3時間測定では検出下限値未満となった。

この数値をどう判断するか。食べるか、やはりやめるのか。個人個人の事情があるため正しい答えなどない。測ることによって現状を知り、自分なりの基準を持ち考える材料になればと思う。

測定員 佐藤吉男

 

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