2013年度宮城産新米の測定

9月28日にお客様の依頼で白米を測定しました。昨年も測定して下限未満となった2013年度の宮城産の新米です。

測定のときは、先入観を持たずに測ることを心掛けていますが、やはりどこかで、昨年同様の下限値未満の数値が出ることを期待していました。

結果は、初回1800秒(30分)測定で

Cs-137は検出下限値3.10Bq/Kg

Cs-134 は検出下限値3.41Bq/Kg

どちらも下限未満という結果でしたが、Cs-137のほうに2.63Bq/Kgという数値が見えていたのが、微量とはいえ気になりました。

そこで、お客さまにお米を検体として提供して頂き(ありがとうございます)1800秒(30分)から続けて36000秒(10時間)という測定を行いました。

結果は次のとおりです。

1回目30分

Cs-137 2.63Bq/Kg【検出下限値3.10Bq/Kg】測定結果=下限未満

Cs-134 なし   【検出下限値3.41Bq/Kg】測定結果=下限未満

1回目10時間

Cs-137 1.34Bq/Kg【検出下限値0.84Bq/Kg】測定結果=検出

Cs-134 なし   【検出下限値0.78Bq/Kg】測定結果=下限未満

微量といえ、「検出」が出ました。ですが、この結果だけではこのお米に1.34Bqのセシウムが入っているとはいえません。本来この機械で測れるのはCs137とCs134の合計10Bqなのでこのような微量な結果に誤差が生じることが今までの測定からわかっています。

とはいえ「検出」が出てしまっては正体に迫りたくなるわけで、さらに追加測定します。

2回目30分

Cs-137 2.63Bq/Kg【検出下限値3.10Bq/Kg】測定結果=下限未満

Cs-134 なし   【検出下限値2.90Bq/Kg】測定結果=下限未満

2回目10時間

Cs-137 0.56Bq/Kg【検出下限値0.84Bq/Kg】測定結果=下限未満

Cs-134 なし   【検出下限値0.78Bq/Kg】測定結果=下限未満

下限未満になりましたが、この2回だけではなんとも言い難いのでさらに測ります。

3回目30分

Cs-137 なし   【検出下限値3.10Bq/Kg】測定結果=下限未満

Cs-134 1.41Bq/Kg【検出下限値2.90Bq/Kg】測定結果=下限未満

3回目10時間

Cs-137 0.38Bq/Kg【検出下限値0.84Bq/Kg】測定結果=下限未満

Cs-134 1.28Bq/Kg【検出下限値0.78Bq/Kg】測定結果=検出

なぜかCs134のみが微量に検出となりましたが、これは誤差である可能性が高いと考えられます。福島由来のセシウムを計測する場合、Cs134のみが現れるということは考えにくいからです。

3回の測定からわかることを測定者的に言葉にすれば「わずかにあるかもしれない、けれども無いかもしれない」という表現になります。

あるいは、今回のお米からは正確な判断ができるだけの量のセシウムの検出は無かった、という言い方も出来ます。

この結果を見て、ほんの少し、1Bq前後のセシウムが入っている?と感じられる方もいるかもしれませんが、それも必ずしも正確とはいえません。 測定には多くのノイズの影響を受けます。1回目の結果は、そのためという可能性も考えられるからです。

しかし繰り返しになりますが、セシウムは含まれていないと断言できないところが放射能測定の難しいところです。

お預かりしたお米は貴重な検体として、引き続き測定の実験と研究に使わせて頂きます。

※長時間の測定についてはブログ「5ベクレル米を測定してわかったこと」に詳しいので、興味がありましたらご参照ください。

https://west-tokyo-albireo.com/2012/10/15/597

※測定結果の見方については、あるびれおのブログ「測定結果の見方」を参照下さい。

https://west-tokyo-albireo.com/2012/10/29/633

測定員 川嶋哲子

 

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