あるびれお通信 2021年初夏号

<3> 土の測定結果について 

食品では下がってきたセシウムが、私たちが住んでいる環境にどれくらいあるのかを知るために、2020年12月~2021年4月にかけて西東京市内で採取した土を測りました。

水が流れなくなった側溝の土


セシウム137は、8~2080 Bq/kgと広く分布していました。

  1. 2080 Bq/kgと高い値を示したコンクリート上の土は、2011年3月21日以後に東京に落ちたプルームが吹き寄せられてホットスポットとなった場所の土を2012年4月に採取して測定し、その後保管して再測定したものです。
    絶えず雨や風で移動している他の場所の土とは異なる条件ですが、依然として高い値を示しています。
  2. ガレージ奥の溝に溜まった土と3カ所の側溝の土は、220〜1460 Bq/kgまでの値を示しました。雨水とともにガレージの溝に溜まった土よりも側溝の土が高い値を示したのは、長年に渡って屋根に吹き寄せられたセシウムが雨で樋を伝わって側溝の土に濃縮されたものと考えられます。子どもたちが遊ぶ周りにある高い値の土は取り除いて、地面の下に埋めた方が安心ですね。
  3. 庭土は5箇所ありました。8〜102 Bq/kgを示したものが4箇所でした。1箇所、517 Bq/kgと高い値のものがありました。ここはみかんの木が植っています。常緑樹の葉についたセシウムが雨で下に落ちて溜まっていると考えられます。2014年11月に実施したみかんの測定では、セシウム137、134共に測定下限値以下でした。

あるびれおの測定器(NaIシンチレーション測定器)では、セシウム134の値が高く出ることを検証しました。

セシウム137の半減期は30年で、セシウム134は半減期が2年です。
10年後の今では2011年当時の3%程度に低下しており、セシウム137との比率は4.4%です。あるびれおのNaIシンチレーション測定器ではセシウム134が理論値より高くでる傾向がありました。この度、このセシウム134の値が確かなものかどうか検証するために、市内3箇所で採取した土を、都内にある2つの市民放射能測定所に依頼して測定してもらいました。

あるびれおと同じNaIシンチレーション測定器ではセシウム134が高く出る傾向は同じでしたが、ゲルマニウム測定器の結果はほぼ理論値に近い値が出ました。NaIシンチレーション測定器は分解能が低く、自然放射能をセシウム134として計算するためと考えられます。

今後、-3.11から10年プロジェクト-として西東京市内の土を測っていく場合、上記の結果を踏まえて測定値を報告していきます。

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